新緑の森冒険、最終話。思い出と共に歩む。

05 19, 2012
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皐月 月齢27日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

私たち「つきのわぐま」が活動拠点とさせていただいている裏高尾の森にあったウッディハウス。
「あった」とは、過去形。

あの出来事から一ヶ月が経とうとしています。

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【新緑の森冒険】の最後、私たちが森の中で見つけたもの。

焼かれしものの一部。

あの日は優しい雨が降り続いていました。雨が森を守ってくれたかのようでした。
その際に、熱風でヒラリと飛ばされたのでしょうか。

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「ねー、くぅー、記念にとっておけば?」
みんなで順番に手にしていると、誰かがそう言いました。

「記念」

思い出、いっぱいあったもんね。
ねぇ、みんな、覚えてる?

キャンプというと必ずと言っていいほど大雨の洗礼を受けるパレット冒険隊は、いつもあの軒下で雨宿りさせてもらったよね。

ねぇ、覚えてる? あの「夏いろ冒険キャンプ」。
雷が恐くって、Aちゃんが泣き出すと、みんなもこらえていたものが溢れ出して、Kくんも泣き出して・・・
大きい子たちだって本当は怖くて仕方なかったのに、自分に言い聞かすかのようにKくんたちを慰めて・・・
でも、泣き止めなくて・・・自分たちだけで火おこしして、あの湿度の中やっとの想いで着けられた火で作ったスペシャルカレーもドンドン冷めちゃうし・・・けれど涙の味しかしなくって・・・

「甘ったれんな! お前、何しにきたんだ!」って、Kenの雷が落ちたっけ。
Kenの雷の方が怖くって、みんな一気に涙も怖い気持ちも飲み込んだっけ。

すかさずKくんから出た言葉。涙いっぱいの瞳で、真っすぐに向けられた気持ち。

「ぼく、がんばる」

CooもKenもそのまっすぐさに感動して、涙でちゃったっけ・・・

その後、私たちはみんなで肩寄せ合って、Kenちゃん劇場に大爆笑してさ。
みんなが笑うと、雨もやんで、夜空には満天の星が広がって、カジカガエルの鳴き声が森に響き渡って、蛍が微かな光を放って、雨上がりの香りが体いっぱい染み込んでいったっけ・・・

この間の春キャンプでも、大雨の中冒険会議の意見が中々決まらなかった時・・・
あの軒下で雨をしのぎながら、話し合いに話し合いを重ねた結果、「雨の日にしか見れないものがある」「よし、冒険にいこう!」って、みんなは雨に対して前向きになれる強さをもらったっけ。

あの軒下で。

あの軒下で、私たちは泣いたり、笑ったり、口論したり、気持ちを一つにしたりしてきたね。

ねぇ、みんな。
あの建物も、軒下も、今はなくなってしまったけれど、「あぁ、あの時、あの場所で」ってみんなで想えるものがあるって、とっても素敵なことだと思わない?

森が無事でよかったね。森さえあれば、私たち森冒険隊は全てがそろっているんだよね。
そう、だから、よかったね。
残念だけど、よかったよね。

あの出来事の後、みんなが初めて丸焦げになったウッディハウスの前に立った時の、ひとりひとりが合わせていた手、目を閉じて祈っていた姿、Cooはきっとずっと忘れない。

ん、忘れない。

森よ、ありがとう。
あなたがいるから、私たちがこうしてあります。

雨よ、ありがとう。
あれ以来、あなたが降り注ぐ度に、私はあなたのことを益々好きになっています。

みんなみんな、また森で。
次の冒険も楽しみだね!!

新緑の森冒険、その7。Hちゃんの見守り。

05 19, 2012
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皐月 月齢27日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

わたしたちはいつも、そんな風に森をゆくのです。
仲間たちと共に、それぞれのペースでゆくのです。

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「それぞれのペース」というものを、大切にしてあげたいと思うのです。

ズンズンとにかく先へ先へと進んでゆく子もいれば、一歩一歩確かめるかのように歩んでゆく子もいます。
どちらに合わせるのかなんて、ナンセンスはお話なのかもしれません。
けれど、それは自然と生まれたりするのです。

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Hちゃんは、いつもそうなのです。
バランスと運動神経の良さで言ったら、パレット冒険隊の中でも抜群なHちゃん。
森の中を裸足で走らせたら(というより、自ら裸足になっているのですが)、Hちゃんに追いつける子はいません。

そんなHちゃん、さっきまで先を歩いていたのに、気づくと小さな子たちの後ろにまわっているのです。

歩調を合わせるかのごとく、共に呼吸するかのごとく、Hちゃんはそうしているのです。
目の前にいる子がバランスを崩す時、急すぎる斜面を限界を超えて乗り越えようととしている時・・・
Hちゃんは背後から、そっと、本当に「そぉっと」手をかしてあげていたりします。確実でありながらも、本人が気づくか気づかないほどに。

本当に必要な時に、チョビッと必要な力だけ。
その絶妙な加減の感覚は、「見極める」という言葉は合わないように感じます。
「見極める」のではなく、極自然と体が動く、そういうことのように感じるのです。

そんな彼女の「見守る」姿勢に、私はいつも多くを学ばせてもらっています。


ねぇ、H。
パレットのスタッフになれる条件、Hはクリアしたのに、あれでは自分が納得していないなんてね。
Hの、そんな自分に真っすぐなところが、Cooは大好きょ。
でもね、パレット史上初の快挙、おめでとう。それだけは自分を認めてあげてもいいんじゃないかな?
その情熱、かなりイカシテルっ!今度、個人的にも森においで。一緒に練習しよう。

初参加の時から私のアシスタントをつとめてくれている、H。
明日の冒険もよろしく頼んだよ。
また森で。

新緑の森冒険、その6。森カクレンボ。

05 18, 2012
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皐月 月齢26日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

探しています。森の中で。
森の動物を? いえいえ、パレット冒険隊の仲間たちを。

森カクレンボ。

いつからか、冒険の帰り道の恒例となっています。
初参加のMくんは、あっという間に見つけてしまいます。

小さい子ほど、その能力に長けている感じがするのは私だけでしょうか?

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「あ〜、今日の服、目立っちゃうなぁ〜」なんて声も聞こえます。
気づけば最近、隠れることを意識しての洋服チョイスになっている子がいるのが、私的にはチョット笑えますが、いかしてるな、と思うのです。

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ほら、ここに、ひとり。
Kくんは見つかってしまったものの、次回の課題を自分なりに得たようでした。

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最年少のMくんが隠れる番になりました。そこに隠れています。

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「どこ〜?」「M〜!」「寝ちゃったんじゃないの〜?」

結局みんなは、Mくんを見つけることが出来ませんでした。
みんなの足元50cm以内にいたのにね・・・
隠れるというほど隠れてもいなかったのにね・・・

死角への入り込み方、木や石との同化の仕方、息の潜め方、気配の消し方・・・その全てを極自然にこなした、そんな隠れ方だったようです。

ん〜、お見事!
子どもたちは私の大先生です。

ねぇ、Mくん。
あの続き、またね。また森で!

新緑の森冒険、その5。その瞬間。

05 18, 2012
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皐月 月齢26日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

再び冒険です。その先のそのまた先がどこに通いているのか、誰も知りません。
「その先、みてくる」

「矢印T」くんは、斜面をズルズルすることなく進めそうな道か、小さい子たちが行けそうなのか、偵察部隊長です。

「あいつ、本当に矢印だなっ」Tくんの後ろ姿を見守りながら、誰かがそう呟いたのが妙に可笑しい。

「この先、大丈夫そう!」Tくんが戻ってきて報告。
みんな「矢印T」くんに続きます。

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それぞれがそれぞれのペースで。
時に、それぞれを気遣いながら。

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今まで足元しか見れていなかったのが、開けたところに出た瞬間、知っている場所に出た瞬間、空気感が変わるのを感じるかのように、その景色や空を見渡すのです。

それって、冒険の醍醐味の一つです。
その瞬間のみんなの表情といったら・・・

あぁ、お父さんお母さんたちにも見せてあげたいなぁ!

そんな森冒険です、パレット冒険隊。

新緑の森冒険、その4。矢印Tくんの木登り。

05 17, 2012
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皐月 月齢25日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜【新緑の森冒険】

木登り。
ふと登ってみたくなる木って、あるものです。

Kくんは、この木の曲がった幹の部分が、いかにも座り心地が良さそうで、急斜面に突き出した木を登り始めました。
・・・が、あまりの急勾配に足がすくみます。
ちょっと止まって、降りる?どうする?その判断は自分にしか出来ません。

そんな感覚、私は冒険隊のみんなに沢山経験してほしいと思っています。
危険を伴うからこそ、私としても息するのも忘れて見守ることが多々あります。けれど、それなしには語れないものってあるのです。

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Tくんは必死です。ここから先がどうしても登れません。
その必死さが、このお尻の角度に現れています。

「お尻が矢印になってるよ!」 誰かが指差し叫びました。

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みんな大笑いです。Tくんもつられて笑って力が入りません。

「もー!やめてー!笑わせないで〜!」とTくんは叫び返しますが、その矢印っぷりがあまりにも見事で、みんなの笑い声はドンドン大きくなります。

この日からTくんは「矢印T」と命名されました。

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ただ木登りをしているだけのことです。
なのにどうしてこんなにも絵になるのでしょうか?
なのにどうしてこんなにもストーリーに溢れているのでしょうか。
森と子どもの不思議です。

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Tくんの笑いが、初参加で最年少のMくんの心をほぐします。
Mくんの目には、トビキリの可笑しさと共に、チョビッとの憧れが映っているのを感じました。

響いています。今でも私の中に響き渡っています。
あの時のみんなの笑い声、鳥たちの声、強い日差し、心地よく頬を撫でる風、ざわめく新緑・・・

ねぇ、T。
あの木、何十回チャレンジしたかなぁ? 
その根性、カッチョいいじゃない。そんなTの男前さに、Cooはホレボレだよ。
側にいるモミの木に、クリスマスには松ぼっくりとかで飾り付けしたいってアイディア、ロマンチックでもっとホレボレ。

またあの木に会いにいこう。約束するよ、T。

新緑の森冒険、その3。AちゃんとKちゃんのズンズン。

05 16, 2012
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皐月 月齢24日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

KちゃんとAちゃんは同い歳の仲良しさん。
パレット冒険隊で数回一緒になっただけなのに、とっても仲良しさん。

Kちゃんはズンズンゆきます。Aちゃんも一緒にゆきたくてズンズンゆきます。

このふたりのズンズンだけは、誰にもとめられません(笑)。
いつの間にか先頭をリードするふたりです。

どこに向かっているかって? それはKちゃんの心が向く方向です。そこにAちゃんが後押ししてくれている、そういうことです。

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素敵に言葉少なのKちゃんと、素敵に破天荒なAちゃんのふたりは、一見全くタイプが違うのに何故か波長が合うようで、こんなにも心許し合っています。

ふたりの内に森のエッセンスが更に足され出すと、言葉少なのKちゃんはポロリポロリと語り始めるのです。
ふたりの小さな会話。
耳を傾けるのはチョビッと気が引けて、少し離れたところから見守りながら、私はひとりニヤニヤするのが好きだったりするのです。

ねぇ、Kちゃん、Aちゃん。
お弁当、美味しかったね。いっぱい食べて、またズンズンゆこう。その先のその先へ。

また森で。

新緑の森冒険、その2。Kくんの滝行。

05 15, 2012
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皐月 月齢23日

「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜 【新緑の森冒険】

沢遊びが大好きなKくんは、きっと楽しみにしていたのです。
後先のことより、こんな風に「今」にどっぷり浸かることを。

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「ひゃーーー!」

そう叫んだのは、私たちの方。
KくんはTくんと一緒になって滝行です。 
まだまだ水は冷たいって? そんなこともちろん承知のことです。知っているから、の行動というものがあるのです。

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「くぅー!! みてたー? ボク、すごいでしょう?!」

Kくんのその勢いにはかないません。そのトビッキリの笑顔には、私がとろけてしまいそうです。

ねぇ、K。
夏になったらさ、一緒にJの滝で一緒に滝行しよう! きっと絶好調に気に入ってくれると思うんだ!
ねぇ、K。
うん、カッコ良かったよ! それもトビキリねっ!


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プロフィール

Author:Coo
空と大地の教室「つきのわぐま」主宰。 三日月生まれ。 Coo、時々、久弥子。

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