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火を焚く。

01 14, 2019
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睦月 月齢8


実は私、火熾しの練習をさぼっている。
随分とさぼってしまい、あれほど毎朝毎晩夢中だったキリモミ式で火をつけられる自信がなくなってしまった。

この連休、ナイフとカメラを持って出掛けた。夏から目を付けていたセイタカアワダチソウを頂きに行った。嬉しくてすぐにでも試したい気持ちを抑えこみ、まずは手でスピンさせた時に当たる部分を丁寧にナイフで軽く削がなくてはいけない。削りすぎない様に慎重に。ついでに弓ぎり式のスピンドルも削ろう。その作業をしようと落ち着く場所に移動した。日暮れも考えると作業は1時間ほどだなと思った。


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せっかくなので、小さな火を焚いた。

小さな窪みを掘り、風を読み風の入り口を作る。手のひらサイズのティピを組み立て、ポケットからファイヤースターター取り出す。火花は一瞬にして焚き火になった。

こんな小さな焚き火でも実に暖かい。夏に森で瞑想する時に蚊が気になるので時々更にミニチュアの焚き火を焚く事もある。小さな焚き火は無駄がなく全てを灰にするにも、時間の調整をするにも容易い。



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道具を造るというのは楽しいものだけれども、私はとても不器用なので思う様にいかない事が多い。ふと手をとめ森を仰ぐと、白い月が浮かんでいる。再びナイフを握ると、削りかすが焚き火にチリリと消えてゆく音や香り、煙が、私の心をくすぐる。

「おかえり、私」

思わずそう呟いた。


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私が子どもの頃、家の裏でよく焚き火をしていた。暇さえあれば「何か燃やすものない?」と火を焚き、「今日は特にないわよ」と言われると、枝を集めて焚き火をしていた。
子どもの頃は、火にあたるというよりも、ドングリを投げ込んで爆発させたり、オヤツを焼いて食べて喜んでいた。特に意味もなく、とにかく焚き火をしていた記憶がある。「子どもだけで火遊びして」などと怒られる事もない大らかな時代だった。

そして大人になった今、やはり焚き火が大好きだ。焚き火に燻された服が数日薫るのもたまらない。以前、都会の繁華街ですれ違った人から焚き火の香りがしたことがある。思わず振り返ったが、その人も香りも雑踏に消えていった。思わず追いかけたが、見つけたところでどうするって言うんだ、、、と思いとどまった事がある。

思えば、いつもどこか私の記憶の中に、焚き火は在る気がする。


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(そろそろ、終えますか)

枝をくべるのをやめてからの時間が最も好きだ。灯がスッと消え去る次の瞬間に登る一筋の煙の美しさに心奪われる。奪われても決して惜しくないセンチメンタルが空と交ざってゆく。時々息を細く長く吹きかけては、燻る熾火に宇宙の初まりを感じる。


「立つ鳥跡を濁さず」

焚き火をしたとは誰も気づかないように痕跡を消す。それが焚き火を本当に愛するものの礼儀だと思っている。立ち去り際に何度か振り返っては確認する。「ありがとう、また来るよ」と伝えながら。


吊り橋へ向かうと夕暮れが空をマゼンタ色に染めていた。手には新しい相棒を握りしめている。心まで暖かだった。




今も、焚き火の香りが時々微かにする。

やっぱり私は焚き火が好きだ。






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森のおすそわけギフト。

01 26, 2017
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睦月 新月

1月7日の七草粥の問題にご応募頂き正解されたNさんへ、森のおすそわけギフトセットを贈りました。

正解は、
1、ヨモギが何故かいる
2、セリがクレソンに代わっている

でした。お見事!

575A5923.jpg ←クリック&ご確認を。


実は、年明けの投稿「御屠蘇代わりに、季節を味わう花酒を。」で紹介した梅の花酒を贈るつもりでいましたが、正解された方が出産後の子育て中だったので、代わりに子育ての合間に森を感じ楽しんでもらえそうなものに変更しました。


折角なので、このblogでご紹介したものを中心に集めてみました。

*セイタカアワダチソウのお風呂/脚浴エキス用セット
*ヤマブドウのコンフィチュール
*山椒の塩漬け入り ちりめんじゃこ
*cotoriの森の小さな畑で育てた綿の種
*森の絵はがき(photo by Coo)


蝋紙と愛用のナイフ、小瓶に包装紙、小さな箱とマスキングテープを用意し、「はてさて、これらをどう詰めましょか」と考えるのも楽しかったです。

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草木染めした毛糸でオシャレさせて。

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セイタカアワダチソウの爽やかな香りがホンノリして。


レターセットとペンを取り出し、森のお裾分けについてひとつひとつ綴り、その日の森の事や他愛のないこと、こうして森で繋がれることが嬉しいことを伝えた手紙を添えました。


そうして、山を下りて里へ。「小包お願いします。」
無事に届きますようにと祈りながら、小包が運ばれてゆくのを見送るのでした。



数日後、Nさんからお返事が届きました。ギフトのひとつひとつがNさんの幼少時代の思い出と繋がるそうで、その素敵なストーリーも綴られていました。

はじめての子育ては大変そうだけれど、可愛くて仕方ないのが伝わってくる微笑ましい言葉たち。左腕に赤ちゃんを抱きながら書いてくれているのが伝わる字の踊りもあったり。

そんなNさんの柔らかな暮らしの中に、この森の一部たちを混ぜてもらえたことが、私はとても嬉しいのでした。



Nさんが最近お気に入りのお店のお菓子も贈ってくれました。子育ての合間に気分転換にゆくお店なのだそう。山暮らしでの甘いものは、自分で作るしかないことも。丁寧にお茶をいれ、一口一口の幸せを味わい頂きました。



こちらの暮らしと、そちらの暮らしがクロスする。
森と街が繋がり行き来する。


「森のお裾分けギフト」は、はじめての試みでしたが、私の方が思いがけず素敵なギフトを頂いた想いでいっぱいです。




今回の企画は、こういう森のお届け方があってもいいなと以前から思っていたので、そのお試しでもありました。


時々森からの季節の便りが届く。小さな森と手紙も添えられて。(森へのインパクトも考えると、数極限定で、今回ほど色々詰め合わせセットではないけれど)。そういうことを、私の極親しい人やお世話になっている方々たちだけでなく、このヒッソリとしたblogを読んでくださっている方々にも、いつかお届けできたらいいなと考えています。

ご興味のある方がもしいらっしゃるならば、今後ゆるりと小さな森のお届け先を募れたらと思います。その準備ができたらお知らせさせてください。



先ほどから、ジョウビタキがパソコン横の小窓に何度も来てはホバリングしています。黒猫のヤブさんは陽だまりでお昼寝中。
どうやら呼ばれている様なので、ちょっと森に出かけましょうか。


皆様も、どうぞ穏やかな一日を。

天青の色の行方。

12 22, 2016
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師走 月齢22

ふと気づいたら年も残り僅かで終わろうとしています。

諦めも大切。

ただひとつ、年が変わる前に、
秋のはじまりから友人と交わした手紙のことをお話しましょうか。


秋になるとクサギの実がなるのが気になり始めます。

友人への手紙の冒頭にも、季節の挨拶としてそう綴りました。


丁度クサギの実が青くなりはじめた頃、友人から小包が届きました。

袋をあけると、ヤギの絵本他贈り物と共に「天青の実 - くさぎ -」という章が添えられていた。

それは、染織家 志村ふくみ氏の文章でした。


京都の山間から流れる川の鬱蒼とした茂みで集められるという。


私も裏庭の森の茂みを分け入ってクサギを集めながら、
私の芯は、空の青と森の緑が掛け合わされた碧に染まるのでした。


色からして、宇宙からみた地球をイメージさせます。


森の中で天青の実を仕分けながら、
「今度、毛糸が染まったら色を見せてね」と綴ってくれた友人のことを思っていました。



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去年はクサギで毛糸を染めました。

靴下は未だ編めていません。
(編み物の本まで買ったのにね)

今年は羊毛とアルパカの2種を染めました。


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更に欲張ってガーゼハンカチとハンドタオルも。

下処理しても尚、白が際立つのは、クサギの青さのせいでしょう。


何回か染め重ねてゆきます。
素材の違いで色も変わりますが、回数でも色の変化が大きく面白い。

「もう一回だけ、、、」と思って染めると、

「あぁ、さっきまでの色の方が私好みだった、、、」ということも。


頃合いの見極めと欲張らないことが大切です。


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綿糸はとても鮮やかな青が得られました。
心躍ります。


ある資料によると、クサギは媒染(色の定着)の必要がないとあり、去年まで媒染せずにいました。

けれど、半年もしないうちに、洗濯したわけでも、日に当てたわけでもないのに、色が変わってしまうのです。

そのため、今年は色を定着させるべく媒染することに。


どうかこの青が残りますように、と。

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ガーゼは澄んだ青空のようでもあり、
濯ぎの水に揺蕩うと、コバルトブルーの海のよう。


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もう一枚あったので、どこまで染められるか試してみると、、、

次第に緑がかってエメラルドグリーンに近くなってきました。

実を包んでいたガーゼも美しく染まっています。

これはこれで美しい。

志村ふくみ氏の表現が浮かびます。

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ハンドタオルもこの通り。美しく染まりました。

綿糸の媒染を主張の強いものにかえてみたところ、グレーがかったモスグリーンなりました。
(右下の毛糸)

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素材、染める回数、媒染の違いで楽しめる色の変化。

そのバリエーションは無限大。

これだもの、毎年試みても次々に課題が与えられるわけです。


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そしてこの後、日影で干して糸玉にします。

あまりにも絡まってしまい、毎日少しずつ玉にしていたわけですが、、、

朝起きると、部屋中に糸が。

の、繰り返し。

クロネコのヤブさんは、夜な夜な毛玉と遊んでいらっしゃるようで。





そうこうして、冬の足音が聞こえはじめた頃。


ふとみると、糸からもガーゼのハンカチからも、
いつの間にか青気が抜け、薄いエメラルドグリーンになっているではありませんか。


全て染め重ね過ぎて緑色が強くなったあの色に。

(右の色から↓左側の色へ)

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青はどこに消えたのでしょう。


私は友人に見せるつもりだった糸玉を手に、暫し考える。



そして友人に手紙を書きました。

「消えた青はどこへいったのでしょう。空の青を少しだけ濃くしたのかしら。だったとしたら、なんて粋なのでしょう。」



友人にはこの青を見せてはあげられなかったけれど、
志村ふくみ氏が、クサギの実で染めた青い糸の色合いを、

「どこか玉のような半透明の光りを帯びて、うすみどりの影をさすのである」

と表現した、そのわずかな色合い。
ルリビタキが飛び立った残像が森に留まるような、空かす光りの色のようで、ジンワリとくる。


そのことにこうして気づいた今、
「瑠璃の微粒子が匂い立つ」と志村ふくみ氏の言葉を受け、
クサギの実の香りを、もう二度と「カメムシの香り」などどは表現しないでおこうと、心に誓った。


そんな師走。


友人に今年最後になろう手紙に瑠璃が飛び立った糸を添えて手渡しました。
澄んだ青色は来年に持ち越し。来年の課題。

とはいえ、既に「もしかしてあれをああしたら、、、」が私の中には既にあるのです。


きっと彼女なら、そうして楽しみを先延ばしにしていることもわかってくれることでしょう。



来年も私はクサギを摘んでいることをイメージしながら。

また森で。

木五倍子インクでお手紙を。

12 08, 2015


師走 月齢26

「この実、めっちゃ美味しくない」

樹さんは実という実を片っ端から味見してしまう趣味嗜好があることを、以前綴りました↓
「たべられる きのみ」

気づくと口にしてしまっているので、止めようもありません。
が、時にそれが功を奏してビックリな発見に繋がる事もあるのです。

今日はそんなお話です。



それは先日、夫婦共々何かとお世話になっている「つくば環境フォーラム」の野村さんにこのあたりの森を案内をして頂いていた時の事でした。
野村さんは八郷にセルフビルドの素敵な山小屋を構えていらっしゃり、この人は本当に「森人」だなぁと感じさせる方です。


霧雨の合間を3人でプラプラ歩く中、フラッと後方から追い付いて来た樹さんが味見してみるように差し出して来た真っ黒な実。

見るからに美味しくはなさそうなのですが、、、

珍しく「まずい」と連呼しているので、「どれどれ、、」


「まーーずーーいーー!!!!」


私史上、イイギリの実と匹敵するほどの美味しくなさ。
二度と食べたくはないけれど、二度食べなくても忘れられない味でしたので、
もう食べなくても覚えてられるというのは、ちょっとホッとします。


「何の実だろう?」

その木を見つけて、野村さんがその木の事を紹介してくださいました。


「キブシだね」

キブシ、、、青い実の時しか知りませんでしたが、真っ黒になったキブシの実。

以前キブシの枝を火熾し道具に試した事はあるのと、実は染料になるということしか気に留めていませんでした。


キブシは、花の形から別名【キフジ】ともいうのだけれど、【木五倍子】と書いて、タンニンが多く、薬用や染め物などに使われていた【五倍子】(ヌルデにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫嬰(ちゅうえい、虫こぶのこと))が高級だった為、その代用にも使われたとか。
そこから名前の由来になったとも言われているという説があることを教えて頂きました。


「ヌルデの五倍子は昔お歯黒に使われたのですよ。それから、インクも作れるという話で。ということは、キブシからもインクが作れるということかもしれないのだけれど、、、」


ふむふむ、、、インク??
面白そう!!!!

ということで、インクの作り方も教えて頂き摘んで帰りました。

「早速作って報告しますね!」


次の日、早速色々と調べてみたのですが、ヌルデの五倍子やクルミを使ったインク作りはかろうじて見つかっても、キブシの実については見つからず、、、
五倍子の様々な歴史の方に脱線してしまい、結局は野村さんに教えて頂いたとても(とてつもなく)簡単な作り方を試してみる事に。

錆び釘を物置から探して来て、水を注ぎ、キブシの実をたたいてから入れる。

それだけ。

ところがどうでしょう、、、
すぐに色がこの通り変わりました。



「わぁ!すごいタンニン!!」

あの不味さの強烈さに納得です。

胃がキューーン!となる感じ。

ちなみに味を表現するならば、、、

「クレヨンみたいな味」

昨日山仲間が遊びに来ていたので、焚き火しながらその話をしたところ、
「、、、クレヨン食べた事あるの?」

あ、、、はい、、、幼稚園の頃ね、、、色の違いで味が違うのかなって、、、。

淡い思い出って誰にでもあるものでしょう?
そういうこと。




次の日。
既にかなり黒くなっていました。

このままでも良いのでは?と思いつつ、もう一週間寝かせてみると、この通り。

このままではサラサラしているので、調べて見ると、粘り気にアラビアガムを足すそうなのですが、そんなものは家にないので、
樹さんの本棚に使われる事なく飾られていたガラスペンを持ち出し、とりあえず試し書きしてみると、、、



書けるではないの!

一週間目くらいのインクは、どこか金色混じりのような美しく儚い色でした。
その後また一週間ほどしたら茶と微かに緑がかった黒に変わりました。

ヌルデの五倍子の代用となることがわかり、「木五倍子」の名前に相応しく、キブシが今まで以上に輝かしく想われます。



試し書きに、キブシさんにお手紙を書きました。
うむ、、確かに粘り気が少し足りないけれど、ペンの使い方に慣れてくれば書き心地まずまず。



感動です。

いつも面白い事を教えてくださる野村さんですが、こんな体験感動を与えてくださったことに本当に感謝です。



週末、野村さんのお誕生日でした。
野村さんに「木五倍子インク」でお手紙を書きました。

傾いた陽のシッポと、柔らかな暖色の光り美しい時間帯に。




「木五倍子インク」

次は誰にお手紙しようかしら。

私からお手紙が届いたら、キブシの色合いから、
この森の空気を感じてもらえたら。

ちょっと慌ただしい年の瀬、師走。
時間を見つけて数行ずつ書き足し書き溜めて送りたいと想います。


キブシさん、ありがとう。

樹さん、あなたの無闇に実を食べる趣味嗜好に時々溜め息るいていたことごめんなさい。
生死に関わらない程度にこれからもどうぞ。

そして、野村さん、教えてくださってありがとうございます。
森散歩というものが思い出以上になる体験。
そしてその体験が経験への架け橋となるって大切ですね。

森案内というものは、知識的なことを伝える場であるよりも、その森を愛してやまない想いが言葉にせずとも、意図せずとも、ジワジワと伝染してしまうほどの何かというのは、森を知るための何よりもの近道へと導いてくれる重要なことであり、組み込もうとして組み込めるものではない事である事を私は痛感しています。

それだけに、野村さんが私にギフトしてくれたこの経験という森のお土産は何にも代えられないものであり、真似出来ないものだな、、と想うのです。


けれど、私も私の経験から生み出される言葉や言葉以外のもので、森冒険隊の子どもたちといつかまた一緒に森を散歩する時に教えてあげたいと想います。


ありがとう。
また森で。


青い冬支度。

11 18, 2015


霜月 月齢6

「今年は穏やかな秋にしたいと思います」

そう言っていた秋の初まり。
気づけば記事を書けないほどに色々とありまして。

それでも時間を作っては森事をチラホラといたしておりました。
少しずつ季節に追い付いてゆきましょう。


さてさて、
cotoriの森にクサギの木があります。

葉や茎は独特なカメムシにピーナッツバターを塗った様な匂い(あくまでも個人的な感覚です)がします。
クサギは「臭木」と書き、ちょっと気の毒なような、、、

「私は嫌いじゃないよ」と日頃からクサギに伝えています。

実際にカメムシを見かける事がよくあり、フフフとニヤリ。

クサギの花が咲き、あの独特なクサギ臭とは違い、とても甘く麗しい薫りがしていました。
間もなくして、実がなりはじめるのでした。



星形・紅紫色な萼に、熟した真ん丸・光沢のある藍色の実。

このコントラストが何とも不思議な存在感で、どこか宇宙を感じます。



その実を集めて、草木染めをしようというコンタンなのです。



クサギのにおいにクラクラして、ちょっと休憩しようとすると、、、
お食事中の君に出会いました。





「奪うつもり?」
「うーんん、私はいらない。ひとりでお食べよ。ありがとう。」


私はカマキリくんを尊敬しています。
だって、とってもカッコイイから。

その命が、この命になりました。

その一部始終を眺めていたいけれど、クサギ片手に今日のところは遠慮をしておきました。



さて、家に戻り草木染め開始です。
実と顎を選別します。

草木染めで冴えた青というと、藍とクサギです。

藍は生葉であれば扱いやすいですが、所謂「藍染め」となると管理等も大変。
その点クサギは簡単で媒煎もいらないとか。

見つけやすいし手軽です(においはさておき、、、)



ね、綺麗。

クサギの実を集めると、宇宙からみた写真にみる地球の色のよう。



これだけでも満足してしまいそうになるほど美しい。



それを潰します。

すりこぎなどでも良いのですが、私は薬草を潰したり叩いたりする時、鹿の角を使っています。

この角は、とある経緯で私の手元にやって来た角です。

この角を使う度、私はパレット冒険隊のJくんが私に言ったことを思い出します。

彼は、鹿の角を切ってしまっていることに心を痛めていました。
私は、その気持ちがとてもよくわかります。

「心が痛いからこそ、道具として使っているんだよ。無駄にしないために。」

そんな会話をその時の彼は納得いかない顔をしていたっけ。


私はこの角を一生大切に使ってゆく事でしょう。


鹿角は、うっすらと美しい青に染まりました。



そこに水をタプタプと注ぎ、煮てゆきます。



心奪われるほどの青が得られます。

そういえば、北の国にこんな色の池があると友人が言っていたっけ。

こんな風に、意図せずとも未だ見ぬ土地と繋がる事があるものです。



澄んだ青というのは、心を鎮めてくれるかのよう。

作業途中の光景ですら美しく、片付けたくなくなるほどに。



濾したペーパーが青空色に染まりました。
捨てるのが惜しまれて、窓に貼り乾かす事に。

紅葉した樹々の枝の影が、青を濃くし揺れていました。

ふっと一息。

陽が傾きゆくのでした。

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そして、毛糸を染めました。
実の量に合わせて、一玉だけ。

漂白していないウールを使ったため、青が僅かに緑がかった色になりました。

乾かすと更に優しい色になりました。

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気づけばそろそろ冬支度。

黒猫のヤブさんは、今年も暖かな場所で居眠りの秋です。


私はというと、心の置き方を学んだ秋となりました。

「穏やかな秋」とはならなくても、冬はやってきます。

けれど今年は、暖かな冬を迎えられそうです。


ね、ヤブさん。




Current Moon
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プロフィール

Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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