アルデバランと月が重なるところで。

01 09, 2017
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睦月 月齢11


嵐が吹き荒れた一夜。


樹々が倒れはしまいか。
あの小さな鳥の巣は落ちはしまいか。

黒猫のヤブを腕に、大丈夫だよ、きっと大丈夫。と布団に潜り込む。

森の唄は一晩中響き渡っていた。



眠り方を忘れたかのように迎えた朝。
嵐が通り過ぎてゆくのを見守っていた。



(どうせ眠れないのなら、嵐の森で一夜を過ごせれば良かったのに)



静まり返った空を確認すると、少し安心したのか眠りについた。


夢をみた。


森の夢だった。




目が覚め森に出かけた。

気づくと日が暮れはじめていた。


蝋梅の香りが辺りに漂いはじめた。

空の色が濃くなるほどに、その香りも濃度を増していった。


むせび泣きを誘うほどに、美しい香りだった。


闇が森を包んでいった。

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ほのかな光りが灯る。
野生動物が動き出す。

その温度に確かな安堵感を覚える。


私という命もまた、ここに生きているということを、
痛いほどに知らされるからだろうか。


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雲間から見え隠れする月に問うてみる。

(私から森をとったら、一体何が残る?)


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今宵、この夜空に繰り広げられる天体ショー、アルデバラン食。


アルデバランと月が重なるところで、

天体たちはどんな言葉を交わすだろうか。


その微かな音に耳を傾け、ウツラウツラする夜が今夜もやってきそうだ。



P.S.

そちらの森はいかがですか。
あなたが書いた「くぅちゃんへ」という文字を指でなぞっては、ほんのり想い、
あなたと、あなたの大切なものたちに会いたいなぁと、ぼんやり想っています。



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長月の月夜に。

09 16, 2016
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長月の月夜に

見下ろすものと
見上げるものと


そのどちらでもなく
そのどちらでもある私は

双方の光りに包まれていられるならば
他に何もいらないと感じていた


言葉でさえも邪魔をする夜は
ひとりきりが丁度良い


けれども
森の中では完全に一人になれはしないことを知っている

真の孤独と気配の温もりとは紙一重

そんな夜



長月の月夜に

月を眺めながら
私は感じていた


地球から眺める月と
月から眺める地球と

それはどちらも手が届きそうで届かない
届かないからこそ有限にして無限の美があることを



月から観た地球の写真に感動したのはいくつの時だったろうか
地球の音をはじめて聴いたのはいくつになった時だったろうか


月を眺めながら
私は確認していた


地球は宇宙に浮いているのだという感動を月を通して
その地球に生きているのだという実感を大地を通じて

いくつになっても変わらぬ感覚が
私の中にはあるということを


そんな夜





月が綺麗です

あなたのところからも見えますか





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今年最後の満月に。

12 25, 2015


師走 満月


「今日は月明かりで山を下って家に帰れますよ」


昨日我が家にお届けものをしてくださった方が

帰り際に放った言葉が素敵で心に残りました。


今宵、

森はとても静かで

そして

月がとても綺麗。


cotoriの森に出向き

静かに出会おう


今年最後のfull moonに。



そしてお家に帰ろう

月明かりに照らされて。

黒猫のヤブさんとふたり、静かな夜になりそうです。


暗室作業も
デスクワークも
一区切り。


みなさんも、今夜ぐっすり眠れますように。


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'once in a blue moon'

07 31, 2015


文月 満月

'once in a blue moon'





遠い記憶のどこかで、何度となく出会っている。

ちっさな命の揺らめき。


きっと私は、

これからも、出会ってゆくのだろう。



空の広さの中に、

海の深さの中に、

月の光りの中に。




今宵、

森を介した大海原で見上げる月。

その中に広がる草原にそよぐ風を感じて。

全ては繋がっている。



'once in a blue moon'



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今年のそれは満月の日でありました。

07 03, 2015


文月 月齢 16

梅雨らしい雨が森に降り注ぎ

雲と雲の狭間で微笑む雫が滑りゆく様を

飽きる事なく眺めゆる。


あぁ、私の好きな季節が今年もやってきたと

雨に打たれ

ホッとこぼした緩やかなる溜め息で

その小さな雫が落ちない様にと

我に返る。

また少し雨が好きになりました。



私事ですが

昨日またひとつ歳を重ねました。

今年のそれは満月の日でありました。



沢山のメッセージやお手紙などをありがとうございました。

おひとりおひとりに心込めてお返事したく

どうぞ暫しお待ち下さい。

時計を持ち合わせない森時間のようにゆったりと。



これを読んでくださっている全ての方にも

梅雨のお便りとして

私の今を

心象写真にして

ここに添えておきます。


いつもいつもありがとう。


Coo


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Current Moon
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プロフィール

Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 夫の樹さん、黒猫のヤブさんと私Cooこと久弥子、ふたりと1匹、森暮らし。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれ、など。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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