egasun上演中。

02 18, 2012
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如月 月齢25日

バレンタインの夜。
小さな箱を手に、1つ角を曲がり、もう1つ曲ったところの家のチャイムを鳴らす。

写真家&アーティストの海沼武史氏の自宅へ。

「チョコレート」と手渡すと、ニヤリともせず発された第一声・・・「珈琲飲みに行くぞ」
懐かしいSEALの曲が流れる車に乗り込み、向かった場所は・・・

欧風curryとネルドリップ式coffeeの店『egasun』(エガサン)

(JR中央線西八王子駅。八王子市千人町2ー16-1丸神ビル1階 月~金営業 19:00閉店)

この看板が目印。この字の雰囲気、心当たりある方もいるのでは・・・?
そう!「つきのわぐま」のロゴを作ってくれたイラストレーターの筑紫さんのデザインです。

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現役バリバリ第一線でご活躍中の舞台美術家の江頭良年氏と奥様で舞踊家の小山令子氏が今月初めにOpenしたばかりの素敵なお店、『egasun』

西八王子駅から徒歩3分。
千人町の裏通り。「裏」ってところがニクイ。「裏」好きな私にはたまりません。

実は、去年の台風で家の屋根がすっ飛び、我が家の裏に住んでいらっしゃったのに、引っ越され、「散々お世話になったのに、ご挨拶も出来ないまま・・・」と思っていたら、半年ほどしてお店を開いていらっしゃる・・・

その潔さ、粋でどこまでもカッチョいい。
舞台関係の人なら「会いたくても会えない人」的おふたり・・・ここに来れば会えちゃうなんてね。
しかも、お店の入口に併設されているデザインofficeは、ガラス越しに覗けちゃう・・・
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しかも、何とも言えない暖かな雰囲気で迎えてくれます。

バレンタインのこの夜、閉店後のお疲れのところ、私たちに美味しい美味しいコーヒーを入れてくださいました。

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舞台照明が照らしているのは、江頭さん舞台デザインの絵(洗練されすぎていて、「絵コンテ」なんて呼べないし、何と呼ぶべきか悩みます・・・)。
その枠を手掛けたのは、東美八王子店店長の中村明博氏
シックに光沢のある枠にベルベットなマットの質感。さり気なく。アートが何たるかわからない私ですら、みとれてしまいます。

驚く事に、このお店、全て手作りで、購入したものは椅子と調理器具だけだと言います。
カレーのスプーンに至っても、高円寺yagateのJunさんという方の木彫り作品だそう。
デザインもさることながら、これが何とも言えない口運びの良さで感動です。たかがスプーン、されどスプーン!
これ一本掘りだすのに、どれくらいの労力と時間が・・・と考え始めたら、せっかくのカレーが冷めてしまいます。

こうして、『egasun』は江頭良年氏という舞台美術家が奥様のレイコ先生と二人三脚で手掛け、そこにこうして地元のアーティストさんたちも加わり、板張りから壁塗りまでを仕上げたわけです。

わぉ!です。想いがつまってます!

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私はカウンター席、右から2つ目がお気に入りです。
コーヒー豆やピクルスなどの入った素敵なjarを眺められる幸せ。実は私、知る人ぞ知る、「jarフェチ」です。

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お味見に頂いたビーフカレーがあまりにも濃厚スパイシーで美味しかったので、その2日後再びお店に足を運んじゃいました。
数量限定チキンカレーは、モモが一本丸々はいっている豪快さ!しかも柔らか!
ご自身の畑から採れる無農薬野菜が可愛らしく盛られたサラダ(この日はヤーコンと大根のサラダ)とご飯には、手作りの和風な福神漬。

お腹いっぱい、ふぃ~!となったら、ネルドリップ式のコーヒー。
この頃には更に居心地がよくなって、お昼寝モードです。お仕事になんて戻りたくなーい・・・なところで、他のお客さんと談笑。

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「すぐに出るとfaxになっちゃうの」と電話のベルを5回ほど待つegasun。
その後ろ姿が、何とも可愛いい・・・なんていったら、失礼かしら?

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egasunが我が家の裏に住んでいた時、いつもふと現れては「○○食べる~?」と、何とも変わったオジサンだなぁ・・・と思っていたけれど、ある時スーツ姿のegasunを駅で見かけてビックリ。

なんちゅーおっとこ前!さっすが、第一線でご活躍されているアーティストさんです。

そんな方が、あの貫録で、それでいてこのキサクさ。
奥様のレイコ先生のキャリアもさることながら、今も生徒さんたちに愛され、愛している大らかさ。

そんなおふたりですもの、この心地よさ、私なんぞが語るまでもありませんですょ。

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「トイレの壁は武史が塗ったんだよ。よーわからん」とニヒルに笑ったegasun。
興味深々で覗いてみると、さり気なく飾られたドライのバラ。

何だかわからないけれど、ちょっとニンマリ。

matinee(昼の公演)だけでなく、
soiree(夜の公演)が始まる事を、私は心待ちにしています。

仕事帰りにフラ~っと・・・これからもお世話になりますです。

とにかく本当に素敵なお店です。チケットは当日券のみですが、団体様のご予約はお電話にて。
(『egasun』 BOX OFFICE(?) → 042-662-0790)

ちょっと足をのばしてみませんか?

お店の詳細&皆さんからの推薦は↓こちらから。

武史さんブログ(写真で綴る、お店の改装中の様子も)
筑紫さんブログ


石井久弥子・表01border="0"
 
石井久弥子写真展 ~森語で語らう~ 2月3日(金)~27日(月)
八王子市裏高尾町 珈琲自家焙煎の店「ふじだな」にて開催中
(*火・水・木曜日定休)

自然と共に生きる、ということ。

12 08, 2011
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師走 月齢12日

森の冬支度。
大地を覆う落ち葉。大地を暖めるかのように落ち葉。

舞う命
落ち葉の季節、『「ねぇ、今度さ、焚き火しない?」なぁんて誘われたらイチコロなんだけど・・・そんな人、そうそういないんだよね~』昔良くそんな事言っていた青き時代が懐かしい・・・。

ですが、ウジャウジャいるんです、いるところには・・・

けれど今、落ち葉の季節になると、焚き火よりも・・・「あること」で頭がいっぱい。
「今年はどこで・・・どんな風な・・・」と森を想う鮮明度が増してゆくのです。

ですもの、「この後さ、俺の落ち葉の家に来ない?」なぁんて、誘われたら、ヒョイヒョイついていってしまいます。でも、そんな人・・・

と、思うでしょう? それが・・・「俺の」「私の」と、男女限らずそうでもないらしいですよ・・・

debris hat

例えばこんなものを森で見つけたとしましょう。

あらあら、どなたの巣穴? ・・・アナグマさんにしては・・・キツネさんにしては・・・そう思いません?

デブリ・ハットと呼ばれているシェルターです。枝を骨組に、落ち葉をかけ、落ち葉を敷き詰め作られる寝床。
ワクワクしません? 私はワクワク溢れて、意味もなく叫びたくなっちゃいます。

子どもの頃、あっちこっちに作った秘密基地。この技を知っていれば・・・チビCooは、日が暮れたって家には帰らなかったことでしょう。

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キチンと丁寧に作られたデブリハットは、雨風しのげ、真冬の寒さから身を守ってくれます。
私はまだまだ修行が足りませんが、それでも霜バリバリ、備えておいた水が全て凍ってしまう氷点下の森で、朝までシャツ一枚で眠れたことがあるほど、有り難たや~有り難や~なものです。

これはWILD AND NATIVE、通称 WANでの一コマたちです。(*ちなみに、この写真は、WAN3というコースからです。)

ネイティヴアメリカンのサバイバル術を学べるネイチャースクール。その内容たるや、トラッキング、スカウト、ハーバルヒーリング、など実に多岐に渡り、日本ではここまで多くを学べる場所はWANの他にないでしょう。

pressure release

例えば・・・
トラッカーと聞いて、「あぁ」とイメージできる方も、「何?トラック運転手?」とイメージされる方も、その技の真意に触れた瞬間、ブワォン!という衝撃が走ることでしょう。

トラッキングとは、痕跡を追うことです(まとめすぎで怒られるかしら?)。
トラッカーとは、痕跡を追う人の事です(まとめすぎで呆れられるかしら?)。

ちょっと想像してみてください。
1つの足跡から、その人がお腹がすいてブータレていたとか、イライラプンプンしていたとか、心弾んでルンルンしていたとか、恐怖でヒーヒーしていたとかとかとか、わかっちゃうんです! もっといえば、その人の性格までわかっちゃうんです!(・・・って、私はそこまでわかりません。なので、ご質問は受け付けておりません)

たまに聞かれます・・・「で?何が面白いの?」って。
私は答えます・・・「え!!? 面白くないの?!!」って。

この時点で「ちょっと面白いかも」って思っちゃった人は、「ようこそ」です。


でもね・・・
トラッキングって、楽しいことばかりではありません。辛いことにも遭遇します。その頃にはきっと、自然のことをより愛するようになっているわけで、だからこそ胸引き裂かれる想いを経験したりもします。
でもね・・・
それこそが、人が生き物として学ぶべき事柄だったりするのです。そうして人は、長い年月かけて着こんでしまったものを、一枚ずつ一枚ずつ脱いでゆき、そうしてゆくうちに、謙虚になりゆき、そして本当の豊かさが何かを知るようになるのだと、私は思うのです。

・・・って私はまだまだ謙虚さが足りなすぎで、もっともっと脱ぎまくる必要があるわけですが・・・


数年前、WANのスタッフのKさんと山に入った時の事です。一緒にアナグマさんや鹿さんらしき痕跡を追って遊んでいました。

「もうさ、たまらないよね~。楽しくってさ~」というようなことを私が言うと、Kさんは言いました。
「あぁ~、貧乏人の遊びだね。でもさ、一生物の遊びをしっちゃったね」

私は今でもその言葉が忘れられません。いつもそこに立ちかえります。

「トラッキングって何?」と聞かれたら、こう答えましょう → 「貧乏人の遊びだよ。でもね、一生物の遊び」
*これでご飯を食べているレスキュー隊の方々、野生動物調査の方々、遊びじゃない!って怒られるかもしれませんが・・・すみません。

とにかく、人生変わっちゃいます。もうね、今までのようには森も町も歩けなくなると思います。もちろん、いい意味で。

debri hat

人は、道具をひとつ手放すごとに、不自由になると考えられています。
実はその逆であることを知ってほしいのです。
人は、道具をひとつ手放すごとに、自由さを手に入れるのです。

何かあった時、森に行けば生きてゆける。私はそう言いきれるにはまだまだ技術もないのですが、その感覚はわかります。震災の時がまさにそうでした。「いざとなったらデブリハット作ればいいし。食べれる野草や果実もわかってるし、火だっておこせるし・・・」と、森が心のよりどころでした。

そう想えたのも、こんなサバイバル術(自然と共に生きる技)を学んだからです。
WILD AND NATIVEでは、今週末の土日、WAN1という導入コースが開催されます。
ひとりでも多くの方に体験してほしいものだと思います。知っていると知らないでは大きく違います。

WAN1コース紹介


デブリハットで寝て迎えた朝、こんな空が広がっていました。

この空を眺めている間ずっと、私の心は熱くほてったままでした。
空が完全に明るみを取り戻すと、私は感じました・・・私はいかに今まで、表層部分で「感謝」という言葉を多用していたかということを。

日常に「ありがとう」は沢山あります。
けれど、人はきっと、こんな「ありがとう」の積み重ねの中で、「ありがとう」が「有り難う」であることを頭ではなく、感覚として刻まれた人になれるのではないだろうか・・・と感じずにはいられません。

森があるからこうして私があります。
森よ、ありがとう。心を込めて。

WILD AND NATIVE ~「無意識的背景」から「意識的情景」へ~

11 09, 2011
acer colour

霜月 月齢13日

雨に打たれておりました。
森の中でいかに身を潜めるかという技を、実践的に学んでいた時の事です。
大地にうつ伏せになり、身体中を張りめぐらす緊張感が、私を支配していました。
雨は次第に強まり、冷たい雨は私の体温を吸収するかのように降り注いでいました。

雨がかき消す音への執着なのか、自分への抵抗なのか、こわばった身体を捻りうつ伏せに。
思考も行動も全てを一時中断し、大地と背中合わせに空を仰ぐ。

そこには、同じく雨に濡れた鮮やかな紅葉の存在がありました。「ずっとここにいましたよ」とでも言われたような気がしました。

そして、自分の鼓動、自分の体温が強調されると同時に、目の前にあるものたちと自分の間を隔てていたものは、雨ではなく、自分自身の感覚の狭さであったのを深く感じたのでした。

その時私は、全てのものと平等に、私にも雨を降り注いでもらっていることに気付き、雨がもたらしてくれる優しさに感謝したのでした。

acer seeds

するとどうでしょう。全てが彩を増し、輝きをもってそこにいることに気付きだすのです。
そうなると、視点がかわり、捉え方まで変わってくることもあるのです。

そうして私は、身の回りにあるものを「無意識的背景」としての存在ではなく、「意識的情景」として知るのです。

目的を持って森に入ることを私はどちらかというと好きではありません。けれど、目的をもっている時こそ、それを果たすためには、こんなものたち1つ1つの存在を「無意識的背景」としてしまわない事が大切なのかもしれません。

そんな単純だけれど、誰もが見落としがちなことを、体験として与えて頂きました。


これは、空と大地の教室「つきのわぐま」を発足する大きなキッカケをくれたWILD AND NATIVEというネイチャースクールで開催されたプログラム内での私的体験です。

ネイチャースクールというものに対して、自然の中にいることに対して、お金を払ってまで学ぶって何?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。かつて私自身もそうでした。
それは、「水(ミネラルウォーター)をお金出して買うなんてアホくさ!」と衝撃的に思った中学生の頃の感情にちょっと似ています(え?似てない?)けれど、ミネラルウォーターを買うにも理由があります。特に、この現代社会においては・・・。

そうしてでも学びたいことがあることを私は知ってしまい、早数年が経ちます。

ネイチャー系のワークショップは他にも山ほどあります。けれど、ワークショップで語られる言葉の一つ一つが、いかに「大地に根づいた経験から生まれたもの」があるか否かの差は大きな違いを生みます。

レクチャーに敢えて難しい言葉を使ったり、フワフワした曖昧さがない。単純明快だと思います。間にチョロチョロ挟まれるジョークはさて置き・・・

ワークショップまでの日を指折り数えて楽しみにし、ワークショップが終わったと同時に、「あぁ~、終わっちゃったぁ~」と思わず言葉が発される。

子どもプログラム等では良くある光景かもしれませんが、大人をもそうさせるなんて、ちょっと特別。
こればかりは経験した人にしか語れないものがあると思いますが、ただ1つ、私からお伝えできることは・・・

大人になるに従って着こんでしまったものを一枚ずつ脱いでゆくと、ここまで世界は輝いているのか!と感じられる、ということでしょうか。

今日も穏やかな一日です。
そう思えるのも、WILD AND NATIVEとの出会いを通じて、私に生まれた情景です。
Current Moon
CURRENT MOON
プロフィール

Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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