春の終わりと、初夏の初まりと。

04 22, 2016

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卯月 満月

カメラのファインダーの中に収められたそれらは、

炭酸水のひとつひとつの気泡自身が含有するそれを、
群棲の勢いにどうしようもなく放射し続けた末に、
徐々に繊細なベースラインに近づくが如く。

現れ、そして消えていったのだった。


私は、
そんな春の終わり方が好きだ。

そして、この曲がよく似合う。

Yaron Herman 'Blossom'

私は家で音楽を自分からはほとんどかけないのだけれど、
彼のピアノだけは別だ。

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今年はじめの蝉の奏でを聞いた。

(ちょっと気が早すぎないかい?)

その小一時間ほど前、
裏庭で花を終わらせつつあるモミジの木に掛けられたハンモックに揺られ、
アイスクリームを食べていた自分を顧み、

(そうでもないか)

と音色に耳を傾けた。



猫の額菜園で、
野菜の種を植える準備をしていたところ、
しっとりとした黒い土の中から、蝉の幼虫の白い身体が現れた。

光りに驚いたのか、空気に触れて縮こまったのか、
はたまた、掘り起こされた抵抗からか、
ぬめりとしたその背中をクルリとまるまってみせた。

(今年、地上に産まれようとしていたのかい?)

申し訳なくなって、
色褪せた木の取っ手のついたスコップで小さな穴を掘り、
蝉の幼虫をそっと植えた。

(どうか、なかった事にしておくれ)

とは言うのも偲びないので、
今日のところは、作業するのはやめ、森に散歩に出掛けた。


(私、物心ついた頃から今の今まで、イモ虫が苦手だったはずなのに)

そんな些細なことに、心が動く。
小さく、静かに感動をする。
そして、確かに脈動をする。



こうして、
春は終わり、初夏がやってきた。


風が少し変わった。


この風が届く先の大地で、
あなたと、あなたの隣にいるその人の笑顔の種が暖められます様に。


満月の今宵に、そう願いながら、

春を見送り、
初夏を迎えよう。

そう思う。


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森のある暮らし「ことり〜cotori〜」主宰。 三日月生まれ。 森と写真と黒猫と美味しいものと。 Coo、時々、久弥子。

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