梅雨の日に焼くもの。

07 21, 2016
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文月 月齢16

霧立ちこめる森。

今年の梅雨は、少し肌寒い日が続いた。

「the 梅雨!」という感じがなくて、少し残念ではあれど、ここ山の中腹では霧を楽しめる日は多く、今年も私の好きな梅雨の日々が在った。

さて、

梅雨の楽しみといえば、霧雨を眺むること以外にも色々とある。

晴耕雨読というように、読書は私の代表的な楽しみのひとつ。

それに加えて、今年からある事を再開することになった。

そのキッカケとなったのは、自然生クラブさんから「麸入り小麦粉」が届いたことだった。

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我が家は、同じ山の中腹にある「自然生クラブ」さんの無農薬野菜を隔週で購入させて頂いている。
「自然生クラブ」さんは、発達障害のある方々の施設で、山を降りた里で野菜や稲などを育てたり、アート活動(アウトサイダーアートと呼ぶべきか)をしてらっしゃる。

そんな皆さんがつくる野菜も作品だ。


毎回野菜に添えられている「野菜家族」通信も、私はとても楽しみにしている。

野菜やアートのこと、活動報告や、それらを通した日常の小さな感動記事だけでなく、政治や教育、未来への想いや願いなど、スタッフさんひとりひとりが交代で、シンプルながらも心に響く丁寧な言葉で綴られている。

調理する前に色々と考える。
色々と感じる。

そして味わう。

言葉も野菜も。


時々、野菜以外のものが入っていることがある。

梅雨の初まりの頃、麸(ふすま)入りの小麦粉が野菜たちと一緒に顔を出した。
「サトノソラ」という名前がまた良い。

麸とは、栄養価の高い小麦の外皮なのだそう。

となると、パンを焼くしかない。

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梅雨に降る雪のような。

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ふと、
クレパスの話を、父が生前していたのを思い出した。

(あぁ、もうすぐ父の命日だ。)

日常で現れる「ふと」が伝えるものを、私は愛おしく想う。

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麸入りだからだろうか。この小麦粉は扱いが難しい。

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地球外生物のように、未知。
会話不能なまま、とりあえず発酵させることに。

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無事に発酵。

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肌寒い梅雨の日。
時間がかかる。

そういえば、オーブンを頂いてから、癖を未だつかめていない。
が、なんとか焼けた。

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表面が固いが中はシットリ。麸独特な香りが鼻から抜ける。
ちょっと面白い味だった。

不思議と少しでお腹いっぱいになった。

この山の里に広がる小麦畑を想った。

確かに「サトノソラ」に包まれた。

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それからも梅雨は続いた。

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と同時に、車が使えなくなったのもあり、私は通院の日以外山から降りない日々が訪れた。

街に出たついでに、まとめて買い物を済ます。
昔よくパンを焼いていた頃に好んで使っていた小麦粉を見つけた。

そうして、肌寒い雨の日に、パンを焼くようになった。


というのには他にも理由があって、

灯油が残っているのだ。
夏超えした灯油はストーヴ本体に良くないと聞く。

ストーヴを付けて、パン生地を発酵させる。
ついでに部屋の湿気も少しは防げる。

一石二鳥。

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準強力粉が手に入ったので、久々にリュスティックを焼いた。

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気泡が美味しさのサインのリュスティック。

パン作りから離れて久しい。
当時、馬鹿みたいに毎日パン作りに興じていた。しかも寝ないで。

「馬鹿みたい」ではなく「本当に馬鹿だったなぁ」と今では笑い話。
パン屋になりたいわけではないのに。
ただ、生地が育つのが楽しくて仕方なかった。



感覚が大分鈍ったな、、、と溜め息。

他にもハーブ入りのパンなど、
数種類作ったところで、ストーブの中の灯油も終わり。

パン作りも終わりかと思いきや、、、



「パン生地を手にフラフラしている人がいる」

樹さんに笑われる。


家の中でどこが一番暖かいかを模索中。

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そうこうしていた一昨日、
南の方から梅雨入りしたという知らせがラジオから流れていた。


どうやら、梅雨明けも間近。

明けてほしいような、寂しいような、、、


そんな雨上がりに、
季節の廻りに、
想いを馳せる。

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今週末、小さな冒険隊が、はるばるこの森にやってくる。

梅雨好きな私は、梅雨にいってほしくないのだけれど、
どうか、今週末だけは雨降りにしないでほしいな、、、と

とても勝手なことを考えている。


さぁ、久しぶりにCooクッキーを焼きましょう。

さぁ、さぁ、

また森で。



Current Moon
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プロフィール

Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 夫の樹さん、黒猫のヤブさんと私Cooこと久弥子、ふたりと1匹、森暮らし。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれ、など。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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