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気がついたらば。

12 11, 2017
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師走 月齢22

「文章を書く気になれないんだよね」

何となくそんな秋を過ごしていて、気がついたらば冬になっていた。
書かないと書けなくなるのもわかっていながら、言葉にしない心地よさもあって今に至っている。

それでも写真だけは撮り続けていた。

京都に住まいを移し、はじめての秋は、あまりにも色とりどりに過ぎ去っていった。

誰にも見せることのない写真たちがまた溜まってゆく。
私が死んだ時に、私が目に写したものたちを夫が眺めてくれればそれでいいか、などと思ったりもする。

と、書き出しに困ってツラツラと書いて気づくのは、私は夫よりも長く生きることは考えてもいなかったのだな、ということだった。自分勝手さに驚く。

気がついたらば冬になっていた様に、私たち夫婦も、気づいたらば結婚4年目になっていた。色んなことがありつつも、時の流れは緩やかにも確実に何かを刻んでいるわけだな、と改めて想う。

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手の届かないところにあった葉たちが、今では足元に広がっている。
それはそれで嬉しくて、歩いてはしゃがみ、立ち上がっては歩き出し、振り返っては立ち止まり、そしてまた戻ってはしゃがみ、時を忘れる。

すっかり森いろに染まった頃に、ふと視線を感じる。
気がついたらば、初老の女性がオニギリを手に、ニコニコと嬉しそうにこちらを見ている。

「こんにちは。」声をかけてみる。
「こんにちは。」笑顔がこぼれる。

「いえね、あなたがあんまりにも嬉しそうで。私、こんな嬉しそうに散歩する人、はじめてでね。」

そう言われて、急にモジモジした。いつから見られていたのだろう。
「私は、そんなに嬉しそうにここに座っている人、はじめてです。」

ふふふ、と笑って彼女の隣に座り、一緒に森を仰ぐ。


紅葉シーズンが終わり、訪れる人も急に減った森は、静けさを取り戻していた。

「良い季節ですね」
「ええ、いつでも、そうですね」

ふふふ、と笑い、暫く他愛もない言葉を交わし、それぞれの家路に向かった。




落ち葉の色も日に日に褪せてゆく。
私の好きな冬の美しい色や香りが森に広がりはじめた。

こうして今年も冬に出会えることが、嬉しくて仕方がない。



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Current Moon
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Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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