だから、覚えておこう。

07 17, 2013
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文月 月齢8日

それは、「いろいろパレット」〜小さな冒険プログラム〜での事です。

「うん、うん、そうね、そうなのね・・・」
ファインダー越しに、思わずホンノリ悲しみを含んだ微笑が生まれる瞬間があります。


私たちはこの日、この道を冒険に選んだ時から、私とNくんは、「この先、あのオタマジャクシの場所だね!会いに行こう!」と意気込んでいたのです・・・

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パレット冒険隊のみんなが覗き込んでいます。
彼らの視線は、水がチョロチョロリと流れるところ。

「オタマジャクシ・・・この間の冒険の時はいたのにね・・・」


Nくんと私は この場所で、蛙の卵が生まれたところと、そしてオタマジャクシが育ったところに出会っていました。

「こんなに沢山のオタマジャクシがいたらさ、森中が蛙だらけになっちゃうね!」と笑ったNくん。
「そうだねぇ〜」と笑った私。

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オタマジャクシはいませんでした。

「足が生えて蛙になって、どっかいっちゃったんじゃないの?」

他の子たちはそう言うと、そのすぐ先の湧き水のでる場所へ駆けて行きました。

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Nくんは、知っているのです。

足が生えていなくなったのではないということを・・・


ねぇ、Nくん。

去年みられたものが、今年はみられない。
昨日出会えたものが、今日は出会えない。
さっきそこにいたものが、今はもういない。

そんなこと、森では良くある事なんだけどね。

その誰かの命が、別の誰かの命になるってこと。
周りの環境が変わって、いなくなるもののこと。
その他にも考えられる事が沢山あるということも。

そう、頭ではわかってるんだよね、私たち。

そんなことを、惜しげもなく教えてくれるもの。

それが森なんだって事も。

そして、それは、森だけじゃないってことも。


だからこそ、ひとつひとつ出会っていこうね。
丁寧に、丁寧にね。

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夏日。

ズブ濡れの服がこうして乾くように、
チョットしたその寂しさも、チョットした悲しみも、
他のステキに目を向けているうちに、きっと乾いてゆくことでしょう。

けれども、私たちは、心のどこかであの場所で出会った、あのオタマジャクシさんたちのことを覚えておこう。

来年、「また会えたね!」だったり、「今年は卵、ないね・・・」だったりのために。

また森で。


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2 Comments
By hare07 17, 2013 - URL [ edit ]

そのことが、単に
残念 という言葉や
悲しい という言葉で
変換されることなく・・・

そうだった過去とそうである現実として
彼等の深いところに刻まれるのでしょうね。

そうか・・・
会えなかったんだね。

By Coo07 18, 2013 - URL [ edit ]

hareさん、

そう、そういうストーリーが待っていました。
でも、その命に触れられた事自体が、私たちにとっては大切だったのかな、と思います。

オタマジャクシに触れるときは、オタマジャクシよりも高い体温の自分の手で、彼らが火傷しないように、手を冷やしてから触らせてもらっていたあの感覚も・・・

ずっと覚えている事は出来ないけれど、ふとした瞬間に、思い出せる何かがあるって、幸せな事なのではないかと、私は感じます。

子どもたちといると、そんな素直な反応に、学ばされる事ばかりですね。

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森のある暮らし「ことり〜cotori〜」主宰。 三日月生まれ。 森と写真と黒猫と美味しいものと。 Coo、時々、久弥子。

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