帰省。

01 04, 2014
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睦月 月齢2日

「自分の中にあるものしか、あの世にはもっていけないのだから。だから、その時々を精一杯、ね。」

母とナガトとあたしと朝焼けと。
朝陽と共に銀虎のナガトの散歩に出かける母について歩く。

「お母さん、影がほら、みてー。」と言うと、母は「あら。」と暫し眺め、ニコリと発した言の葉。

母との会話は、いつもこうして、心に朝陽と同じくらい焼き付けられるのです。


田舎は、そのものが何だかとても情緒的で、困るのです。

冬は庭になるミカンさん、夏はハッカの葉をお風呂さんにプカプカと浮かべてくれて、その薫りが東京に戻ってきても暫く薫るので。
遠くを眺むることが日常の中でとても自然で、その光景が脳裏から離れないので。

父のお墓は相変わらずキレイにされていて、母が北風でお供えのお花が飛ばされていないかばかりを気にしていて。
煙に目が染みて、目を閉じ、手を合わせ、父を通して母を想うのです。


「また来るね。」とニコリすると、
「待ってるわ。」とニコリとされる。

手を振り車を走らせると、車が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも見送っている母の姿が どんどん小さくなって、カーブを曲がる瞬間に消えるのを、何とも言えない想いでミラー越しに感じるのでした。

帰り道、交通渋滞の波に飲まれながらも、視界の片隅に浮かび上がる山々。
心の整理をするのには、渋滞トロトロでじんわり帰れる方が良い。
けれど、その分、なんだかどこか切なくて。

私には帰る場所がある。
そう想った2014年、お正月の事でした。



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Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 夫の樹さん、黒猫のヤブさんと私Cooこと久弥子、ふたりと1匹、森暮らし。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれ、など。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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