網膜から伝わり奏でられる音楽。

02 04, 2015


如月 満月

そうこうしていた3日後、我が家の辺りにも雪が舞いました。

カラスウリがやけに艶やかで、小さな姿で主張していました。



裏庭に形のよいモミジの樹があります。
初めて来たときには紅葉して真っ赤で、それはそれは美しかったのを覚えています。

そのモミジ、紅葉が終わった後でもそのシルエットと紅い枝の色で楽しませてくれているのですが、紅い枝に真白な雪が添えられると、遠目でみるとまるで桜の花が満開に咲いたかのように見えたのでした。

雪ひらがまるで桜吹雪のように映り、そう思えた瞬間から、森全体に花が舞っているかのような、幻想的な感覚に陥りました。

ただただ「ふわぁー!」という感情に包まれ、雪の中立ち尽くし、鼻もほっぺたも真っ赤になるまでそこにいました。

裏庭から続く森には、沢山の山桜が在ることを想い、春がこの後にやってくることが何とも嬉しく想いました。

雪を介して、紅葉を想い、春の桜を愛でる。
私の中で季節が巡っています。

まわりまわって足元に戻ってきて、目の前の雪を愛でる。
豊かだなぁと改めて感じました。


子どもの頃から、雪ひらたちを目で追うのが好きです。
そうすることで、雪の落ちるスピードが少し和らぎその柔らかさが目で触れられる感覚が好きです。

ずっとそれをしていると酔ってしまう事も多々ありましたが、大人になるに従って、上手く放てるようになるものです。
いつの間にか酔うことなく適度な楽しみ方が出来るようになりました。




午後になって雪が雨に変わりました。
雨粒は輝きを集めるのが上手で、一粒一粒がキラキラピカピカキラピカさせて、網膜全体に反射させるかのように、光を浴びせかけくれます。

とはいってもとても優しい光加減なので、コロコロ笑うかのような音に似て、脳内に心地よく響いて奏でられます。

耳で聴くのではない音楽。音符も楽器も歌声さえも存在しない音楽。
それはそれはとても豊かな世界の音楽です。

たとえ私の耳が聞こえなくなったとしても、私はきっともっと豊かな音に包まれるのかもしれないという期待すら覚えさせるので、あまりそこに浸かりすぎるのは危険にすら想えてきます。

ただ、その感覚は嫌いではなく、むしろ好きだったりする自分がいることに気づくのです。

まだまだ浅はかだなぁと感じる瞬間です。




雪は間もなく溶けてしまいました。
その刹那な美しさが尚更鮮明に私の中に雪を残してくれました。


今日は立春。

緩やかに穏やかに太陽が移動しています。


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森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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