山の桜と里の桜と。

04 03, 2015


卯月 月齢13

用事があって里に下りた。

春は、花に芽吹きに賑やかで、足元に頭上にと、目線がせわしない。

里への道のりも、遠回りに遠回りするので余計遠くなる。

里へつく頃には満足しきっているほど春に満たされてしまう。

と思うけれど、里の魅力は少し違うものを「こんなのあるわよ」と言わんばかりに現れくる。

山を見渡せるこの土地が好き。

見渡し確かめるのは、、



山桜。

山桜はとても高い位置で花つけるし、春の空は眩しい上に、美しいブロンズの葉に隠れているから、うかうかしていると花びらが舞い始めて、「ありゃっ!」となる。

あれほど、私は山桜が好き宣言しているのに、何だか申し訳ない気持ちになる。

口ばかりかい、と思われてはしないかと、恥ずかしい想いがしてしまう。

(誰に?という問いには、苦笑いで返します)

ちらほら、ほら、ちらっ。

まだまだこれからです。



とそこに働く車が真っ直ぐ走る。

のどかさを感じさせるけれど、働く車はあくまでも働いているので、のどかどころか、一生懸命だ。

訂正しつつ、ふふふと笑う。
すると自分は働いてないのに、何だか喉が渇いてきたので、菜の花の茎を口にした。



日本人は桜が本当に好きだ。
私も負けないくらい好きだ。

(私も日本人だから、負けるとかではないけれど)

こうしてみるとよくわかる。

人の暮らしに寄り添うかのように、桜が植えられている。
何だか感慨深い。
誰がいつ植えたのかとか、その桜が咲くのを楽しみにしている人たちの面影とか。とか。


裏高尾にいたころ、山の斜面まるまるっと伐採にあったのだけれど、山桜だけ残していたのを思い出す。

「ただ桜をみたいだけじゃなくて、桜は切れないって想いが働いちゃうのかもなぁ」

近所のおじぃちゃんが言っていたっけ。


やっぱり山桜が好きだけど、里に下りると、町の桜もやっぱり好きだなと思う。




話は飛ぶけれど、私がイギリスで庭師をしていた時、桜の花が咲いて日本の話になった。

「日本人は桜が咲くと、桜の下でお弁当たべたりするの。」と話したら

へぇー、それはいい。と皆がポワーンと美しき良き日本の雰囲気漂わせて感心するから、つい調子にのって、

「でね、お酒のんで夜中まで騒いで、そばの家の人たちは大変だったり、警察大変だったりするの。」

と言ったら、苦笑いされガッカリされたことがある。

へぇー、それはいい。で留めておけばよかったな、と未だに悔やまれる。

けれど、一方で、真実は真実だし、、と未だに悩む自分もいる。


なんて、悩んでいるうちに、春は刻々と深まっていって、うかうかしてると、山桜の開花を見逃してしまいそう。

里を通るリンリンロードの桜は、まだ蕾だった。

明日は、樹さんと一緒にあっちこっち桜を見比べに回っていることでしょう。

働く車が欲しい勢いで。

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森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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