蕨、その2~草木染め~

04 28, 2015


卯月 月齢8

【蕨、その1~灰汁抜き~の続き】

と、いうわけで、蕨の灰汁抜きのこぼし汁の深緑があまりにも美しく捨てられずにいた。

灰を漉してみたら、何とも素敵な森色に染まった。

ふと思い出したのが、栗の渋皮煮のこぼし汁で染めたこと。

あれは本当に可愛い色になる。

期待にワクワク、好奇心にフフフ。



草木染めで緑を出すのは難しい。
ワークショップで森を染め、森を纏う、というものを開催してきたけれど、緑色が偶然にも出せた方は数名いただろうか、、程度。

私は染色家の方から草木染めを学んだわけではない。
昔から伝わるオーソドックスな方法をしている。

草木染めを生業にする場合、色落ちだったり、欲しい色を作り出す事が要になるので、工程や定着材などが違ってきたりもする。

なので、所謂草木染めとしてイメージする特定の色を期待して染め物の工程をキチンと学びたい方は、それなりの場所へ行かれた方が良い。


ワークショップに参加していただいた方にはわかっていただけると想うけれど、私が大切にしているのは、草木染めの工程よりも、その時間をいかに草木のように森を感じながら、時に流されるか、という部分だと思っている。

そして、色を頂いた後、その草木は森に返す、というところだ。


今回、蕨は、私の血や肉になった。
それもひとつの工程ともいえる。


綺麗な緑をだすには、葛や蓬など特定の野草たちの生葉を煮出して、その媒染液を一度目は捨てなくてはいけないなどと聞いて、何となくもったいなくて。。


そして、定着に銅やら何やらを使うと聞いて、何となく環境のことも考えると手が出せないままだったりして。特に、山に住むものとして、そこら辺は無視できない。


その真意を知りたいと思いつつ、今に至っている。


とはいえ、何事もそうだけれど、実際に触れてみることなく知識だけで物言う止まりでは、もったいないというか、残念なので、染色家をしている友人に、本当のところがどうなのか、一度ちゃんと教わりたいと思ってもいる。


というわけで、
今回はワークショップでもご紹介していた、いつものやり方で。



映し出される木々があまりにも美しく、作業する手が止まってしまう。



すっかり初夏の陽射し。
そよぐ風が気持ちよい。

記憶が遠くなるほどに。



いかんいかんと舞い戻る。
暖めた液に生地を浸しチャプチヤプさせる。
生地と生地の間に空気が入らないように菜箸でつつきながら。

現れる泡が虹をはらんでいてまたウットリ手がとまる。



煮出す、煮出す。

待つ、待つ。

1時間ほど弱火でクツクツ。

煮物と一緒。

火を止め、さめてゆく過程で色が更に浸透してゆく。



その間に、色を定着させる液を作るためのお湯を沸かす。

この日は日向で日射病になれそうなほど陽射しが強かったので、お天道様の熱をかりた。



これが本当にぬっくぬく。

脚浴をしたくなる温度にまでなった。
森を眺めながら、ハンモックに揺られながら、脚浴をした。

そのため、定着にはミョウバンと木酢液を用意していたのに、一種類に絞らなくてはいけなくなった。

脚浴しながら、どうするか考えた。

、、、頭が働かない。

当然だ。



と、そこに、花がヒラリチャプン。



モミジの花。

可愛いなぁ。
にくいなぁ。

かなわないよ、その さり気なさ。



そうこうしてる間に煮出した液が冷めて染まっていた。

さて、このままにしたいところだなぁ、、と悩む。


というのも、定着の媒染液につけるのは、色落ちしないようにするためなのだけれど、それによって色が変わってしまうのだ。

緑を残したいけれど、残せないだろうな、、、と。



と、そこに黒猫支配人のヤブさんが。。







支配人はいつも、行き詰まっているものを和らげてくれる。



そんなこんなで、木酢液で定着させることにした。


けれど、これからの季節、濃い色にしたくなかったので、早めにあげることにした。


生地の下処理で豆乳を薄めてタンパク質を入れ込んで色の入りを良くさせる作業を、今回怠っていた。

生地は綿100%でも、相当濃い媒染液でなければ、私は下処理をしている。

というのも、豆乳がなかったから。
なので、色の入りがあまり良くない。

そのため、そう急いで作業しなくてもよいので、ゆっくり様子見で定着させることに。



というわけで、小さなバックは、緑にはならず。

優しい黄土色に落ち着きました。

麦藁帽子とお似合いね、ということで。



この夏、ちょっとした買い出しのお供にしましょう。


結局、灰汁抜きこぼし汁を漉した時のサラシが新緑色となりました。


森事は、時に予定外の事に落ち着く事もある。

けれど、だからこそ楽しかったり、来年を想い描けたりもするものなのかもしれません。


次は、我が家の猫の額ほどの畑周りの野草で草木染めしてみよう。

ん、そうしよう。

もう少し、新緑が落ち着いたら。


それもまた、楽しみだ。





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森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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