「森のある暮らしスティ&キャンプ」【命を紡ぐ火】

08 31, 2015


葉月 月齢16

焚き火。

キャンプに欠かせないもの。

今回も毎食火興しをしました。
子どもたちが実に真剣になる事のひとつです。


パレット森冒険隊のみんなに、いつも伝えてきたことがあります。

それは、焚き火というのは、森の命を燃やし、自分の命を紡ぎ繋げることだ、ということです。

もちろん、子どもたちには、もっともっと丁寧に言葉を重ねてお話しています。


焚き火をするのは料理をするため、暖をとるため、つまり、命を紡ぐためのもの。

そしてその残り火の恩恵で、私たちは火をみつめる豊かな時間を与えてももらえる。


真冬の極寒キャンプに参加してくれた事のある子たちは、その意味を肌で学んでいることでしょう。


その火の燃料となる枝などは、木の命の欠片であって、森を構成する命そのもの。

私たちは命を燃やしているのだと想うと、必要最小限の量を丁寧に焚き火にくべようとするのではないでしょうか。


そして、火は人の人生にも似ている。

火種が産まれ、煌々と燃え、灰になる前には宇宙をイメージさせる熾火となる。

そして音もなく、とても静かに大地に返る。

その事を想うと、私は灰になる前の炭火に水をかけたり叩いて消すのではなく、灰になるまで寄り添い見守り、大地に返すまで共に在りたくなります。


それぞれの火のストーリーや捉え方があって良いと思います。

なので、「私はそう想うのだよね」と話しています。


もちろん、危険面を伝える事も大切で「ひとりで火遊びしちゃダメだよ」とも伝えるけれど、これらの事を踏まえてみてから何故ダメなのかを一緒に考えることの方が、何だか大切に私は想っています。




さて、焚き火を始める前に用意するもの。

杉っ葉
細いものから太いものまで揃った枝
火興し道具
モヘモヘ
お箸サイズの枝2本


「モヘモヘ」とは、↑の写真のもの。
(※もちろん、正式名称ではありません)

麻の紐をほどいたもので、火種が着火し易いので使っています。



このモヘモヘ度を競うパレット森冒険隊のメンバー。


575A9065.jpg

「薪をティピ形に組んで準備OKになったら火興し始めてね~」といつも私は言います。

今まで、「ティピ形」と言っても、子どもたちは三角帽子の様な形のことだとわかっても、「ティピって何?」だったと思います。

今回、ティピ形テントを建てたおかげで、皆の中で、その意味が漸くクリアになった様子!



今回の火興し道具は、ファイヤースターターと火打ち石。



パレットの火熾しは、ファイヤースターターから始まって、火打石、弓切り式、キリモミ式、とステップアップしていきます。
スタッフになった子たちは、弓切り式は成功させてキリモミ式にチャレンジしていました。

火打石はオプション的な位置づけなのだけれど、男の子たちは好きよね。
女の子は逆に余り興味を示さないで、弓切りに進みたがるけれど、、、



初日の夜は、裏庭のBBQサイトの炉で。
炉を上手に使えるのも大切ね。

今回火熾しで活躍してくれたのは、去年のキャンプで初めて火熾しを成功させた男の子です。
すっかり火熾しマスター。



火熾しを成功させた子たちが火の番を最後まで責任もって担います。
他の子たちは食材の下ごしらえ等の担当を。

こうして自然とスムーズに調理へと進める素敵さ。
ここ数年のキャンプは、私が実に楽をさせてもらっているのでありました。



2日目からは、森のリビングのファイヤーピットで。





男の子たちが、女の子たちに火熾しの指導をしてくれました。
それが、本当に丁寧でわかりやすい説明で。

みんなは、毎朝山羊さんの世話から一日をはじめていて、ホウキで山羊さんの糞を集める事も日課でした。

ファイヤースターターの擦り方のイメージとして、
「ブブさんのウンチを、ホウキで『サッ!』と掃く感じ」と説明。

なるほどー!!!
何かを教える時に、その人が体験して身体が覚えている事を例に出すのって本当に大切ですね。

子どもたちは私の大先生です。



おかげで女の子たちも頑張れて。
ほらね、この通り。



男の子たちによって焚き火は既におこされていても、女の子たちも練習して火が着けられると焚き火にくべたり。

それはそれは何だか余裕のある光景でした。

男の子たちの余裕が、実に凛としていて、かっこよかった。
そして、それに続く女の子たちも逞しかった。

みんな、やるぅ!






こうして、私たちは毎食無事に食事にありつけました。
そして、夏は森の中で蚊除けも担ってくれる焚き火の有り難さを実感するのでした。



そして、その味は、「天国にも昇る味!」そのもの。


スイッチを押せば料理ができる、暖まる事が出来る、そんな日常とはちょっとだけ手間がかかるけれど、その手間がとっておきのスパイスとなって、美味しさを増してくれているのは間違いないわけで。

お金では買えない、そんな味を知っているって、本当のグルメなのじゃないかな、とか想ったりするわけです。


そして、残り火を見つめながら過ぎてゆく時間の豊かさ。
会話をしたり、しなかったり。


何をするでもない。
ただ火が闇の中で揺らいでいるだけ。

そこには焚き火の弾ける音と、時々樹々がざわめく音と、野生動物が近くを通り過ぎてゆく足音とだけがあり、
音楽だったり、言葉すらも本当は必要ないほどの豊かさに包まれてくると、みんなウトウトし始める。

そんな夜も良いものです。

今思い出しても、焚き火の香りがしてきます。


さぁ、そんな皆の火で、私たちは何を調理しアチチ!と頬張ったのか、

それはまた別のお話で。


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森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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