青い冬支度。

11 18, 2015


霜月 月齢6

「今年は穏やかな秋にしたいと思います」

そう言っていた秋の初まり。
気づけば記事を書けないほどに色々とありまして。

それでも時間を作っては森事をチラホラといたしておりました。
少しずつ季節に追い付いてゆきましょう。


さてさて、
cotoriの森にクサギの木があります。

葉や茎は独特なカメムシにピーナッツバターを塗った様な匂い(あくまでも個人的な感覚です)がします。
クサギは「臭木」と書き、ちょっと気の毒なような、、、

「私は嫌いじゃないよ」と日頃からクサギに伝えています。

実際にカメムシを見かける事がよくあり、フフフとニヤリ。

クサギの花が咲き、あの独特なクサギ臭とは違い、とても甘く麗しい薫りがしていました。
間もなくして、実がなりはじめるのでした。



星形・紅紫色な萼に、熟した真ん丸・光沢のある藍色の実。

このコントラストが何とも不思議な存在感で、どこか宇宙を感じます。



その実を集めて、草木染めをしようというコンタンなのです。



クサギのにおいにクラクラして、ちょっと休憩しようとすると、、、
お食事中の君に出会いました。





「奪うつもり?」
「うーんん、私はいらない。ひとりでお食べよ。ありがとう。」


私はカマキリくんを尊敬しています。
だって、とってもカッコイイから。

その命が、この命になりました。

その一部始終を眺めていたいけれど、クサギ片手に今日のところは遠慮をしておきました。



さて、家に戻り草木染め開始です。
実と顎を選別します。

草木染めで冴えた青というと、藍とクサギです。

藍は生葉であれば扱いやすいですが、所謂「藍染め」となると管理等も大変。
その点クサギは簡単で媒煎もいらないとか。

見つけやすいし手軽です(においはさておき、、、)



ね、綺麗。

クサギの実を集めると、宇宙からみた写真にみる地球の色のよう。



これだけでも満足してしまいそうになるほど美しい。



それを潰します。

すりこぎなどでも良いのですが、私は薬草を潰したり叩いたりする時、鹿の角を使っています。

この角は、とある経緯で私の手元にやって来た角です。

この角を使う度、私はパレット冒険隊のJくんが私に言ったことを思い出します。

彼は、鹿の角を切ってしまっていることに心を痛めていました。
私は、その気持ちがとてもよくわかります。

「心が痛いからこそ、道具として使っているんだよ。無駄にしないために。」

そんな会話をその時の彼は納得いかない顔をしていたっけ。


私はこの角を一生大切に使ってゆく事でしょう。


鹿角は、うっすらと美しい青に染まりました。



そこに水をタプタプと注ぎ、煮てゆきます。



心奪われるほどの青が得られます。

そういえば、北の国にこんな色の池があると友人が言っていたっけ。

こんな風に、意図せずとも未だ見ぬ土地と繋がる事があるものです。



澄んだ青というのは、心を鎮めてくれるかのよう。

作業途中の光景ですら美しく、片付けたくなくなるほどに。



濾したペーパーが青空色に染まりました。
捨てるのが惜しまれて、窓に貼り乾かす事に。

紅葉した樹々の枝の影が、青を濃くし揺れていました。

ふっと一息。

陽が傾きゆくのでした。

575A9977.jpg

そして、毛糸を染めました。
実の量に合わせて、一玉だけ。

漂白していないウールを使ったため、青が僅かに緑がかった色になりました。

乾かすと更に優しい色になりました。

575A0097.jpg

気づけばそろそろ冬支度。

黒猫のヤブさんは、今年も暖かな場所で居眠りの秋です。


私はというと、心の置き方を学んだ秋となりました。

「穏やかな秋」とはならなくても、冬はやってきます。

けれど今年は、暖かな冬を迎えられそうです。


ね、ヤブさん。




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プロフィール

Coo

Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 夫の樹さん、黒猫のヤブさんと私Cooこと久弥子、ふたりと1匹、森暮らし。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれ、など。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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