新月と落ち葉と夕焼けと。

12 11, 2015


師走 新月

今年最後の新月の朝。
雨の初まり。


窓の結露に触れようとして気づく。

何かを描こうとしたわけではない。
結露は外で起こっている。


外へでると、雨がやもうとしていた。


トロッとぬるい空気が肌を覆う。

「春の雨上がりのよう。」

景色は確かに冬の入り口。

気圧のせいか、頭が重い。
脳の嚢が膨張するかのようだった。



裏庭では一番最後に紅葉のピークを迎えたモミジが、沢山の葉を落としていた。

彩りの見頃を期待するのも、
予想だにしない落葉にふっと肩を落とすのも、
実に人間的な思考であると改めて憶う。

何故ならそれは、水に浸り空の光りを反射させ、この世の中で最も美しい散り方を遂げたかのように、私の内のファインダーに写るからだ。

そしてそれは、脳裏を焦がすほどに色鮮やかに焼き付けられた。



秋が足踏みしている。

去年の秋と比べ、私は何を手放す事が出来ただろうか、と振り返る時を与えてくれているかのように。

樹々が葉を手放すように、
そっと手放し、ふっと見送りたい。


そして春が来る頃に、再び何かが芽吹くだろう。
そこから続く夏はそれを育ませるだろう。

その芽吹きと育みの力を蓄えるための冬がやってくる。
その「溜め」こそが全ての源となる。


私たちは何かに必至になり、懸命に生きているように思えるけれど、
ただそのリズムを繰り返えしているだけだ。

季節と共に呼吸をしよう。



そんな事を考えていると、太陽が射して来た。


「きっと今日は夕焼けがダイナミックだ。」

そう思い私は散歩に出掛けた。







新月の日に。

そこには確かに何かが居た。

それは決してスピリチュアルな何かというものではなく、もっと明確でシンプルな、手を伸ばせば触れる事も出来るほどに身近な息吹きだ。

そしてそこには自分も同じく存在していて、鼓動を合わせるかのように呼吸をし合っていた。




そんな今日は、何か特別なことがあったわけではないけれど、
とても良い日だったと言える。

ん、今日も良い日だ。


そして今、イノシシ3頭が裏庭を横切っていった。

生きるということはとてもシンプルだ。



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森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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