アケビと山女。

11 15, 2016
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霜月 月齢15


アケビです。

通草と書きます。漢方では木通(もくつう。アケビの木部)。

山女と書いて、アケビの別名ともいいます。

なるほど、果皮の淡い桃色がかった紫色は、艶っぽい着物の色を憶わすし、果実のほのかで上品な甘さは、そのような着物が似合う女性が食していそうにも想えます。


とはいえ、アケビは蔓性植物で高いところに実を付けます。


アケビを摘んだ経験のある方はご存知でしょうけれど、樹の上や山の急斜面を這いつくばってでないと手に入れられない事が多い。

アケビ採りというものは、お淑やかな女性であっては、とてもじゃない、つとまりませぬ。


それ故に、「山女」という響きがピッタリだと、私は思うのです。



アケビは完熟すると、この写真のように、パカーっと一直線に割れて果実が現れます。

その開く一部始終を見てみたい。

それが私の夢でもあります。


ひとつ見つけると、蔓沿いに いくつか実が一緒になっていて、まだ開いていない物もあります。
そういう時は、ナイフでスーっと一線引くと、同じ様に綺麗に割れます。

その感触が私はこよなく好きで、ニンマリ。


あぁ、なんと美しい森の恵みなのでしょうか。


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(あ、そうだ。イシシシシ・・・)

ウフフフフ、ではないのが、山女らしさです。

カゴに秋を詰めこんで、「わー!」と言わせよう。

裏庭をぐるっと散歩しながら秋をひとつ、またひとつ・・・

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(シメシメ。)

蓋を明けたら秋が飛び出すビックリ箱の完成です。



・・・・・・そしてその夜・・・・・・・


「わーー!」

案の定。

(ククククク。)



アケビの果肉をスプーンですくって口に含むと、ふわーっと優しい甘さが広がります。

アケビは種が多い。
とにかく多い。

種ごと口に含んで、舌でクニャクニャして味わい、種を出します。
私はこれをすると、いつも口の中がつってしまうのです。

それほど種が多いということと、果肉を出来るだけ食べたい欲がそうさせるのです。


摘んだその場で食べるなら、機関銃のように種を吹き出しながら歩いて帰れば良いのだけれど、この日、夜な夜な、裏庭に種を撒きにウロウロ。

裏庭でアケビが採れるなんて、ちょっと素敵だもの。




さてさて、
アケビというと、果肉も美味しいけれど、私にとってメインは果皮です。

今まで、アケビをプレゼントしたことが何度かあるのだけれど、果皮も食べられる事があまり知られていないことを知りました。


どうぞ捨てずに!とっても美味しいのですから。


定番は恐らく、果皮を切って肉味噌(ひき肉)と炒める、でしょうか。

私流のレシピは、果皮を一口大に切らず、大胆にそのままで。
肉味噌の味噌をコチュジャンで作ります。味付けは醤油と砂糖。甘辛く。
果皮の果実が入っていた部分に、肉味噌を詰めて、オーブンに入れるだけ。簡単です。

IMGP1670.jpg

(↑焼く前)

ひき肉の脂が回って、アケビの皮が柔らかく焼けます。
ジュージューしてきたら出来上がり。


アケビの姿をそのままに。
カプリと頬張ると、アケビの僅かなほろ苦さと、肉味噌が良く合ってご飯が進みます。

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今年もこうして、私の中に秋が広がりました。


森の恵みを頂くということ。

それは、私が季節に染まり、森が私の中に息づくということ。


そうして、私はまた少し、森と近しくなった様に感じるのでした。

お上品な女性を目指すよりも、山女でありたい。
私はアケビを頬張りながら、ニンマリ想うのでした。



アケビさん、ありがとう。
森よ、ありがとう。




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Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれなど。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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