嵐の立秋に。

08 07, 2017
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葉月 月齢14

目が覚めると雨が降っていた。いつもよりも涼やかな朝だった。

今日は嵐がやってくる。だから今日はラジオをつけずに森の音を聞いている。ヒグラシが羽を鳴らしている。今日は薄暗いからだろう。ヒグラシの羽音が昼を過ぎても止む事はなく、森に響くミンミンゼミやアブラゼミの音を微かにさせていた。

私はヒグラシが好きだ。雄の羽根の色が好きだ。雌の透明感も好きだ。そして、一匹が鳴き出すと追うかの如く一斉に鳴き出し、そしてフェードアウトする。を、くりかえす。その波が好きだ。


その息継ぎのような「間」に、生きることの美しさを感じる。 嵐にも「間」がある。これからやってくるものをより強く五感で受け取らせようとする「間」である。


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そして嵐がやってきた。私は森へ出かけた。

嵐の森は唄う。このブログでも何度かそう書いた。どんな唄なのか上手く言葉にはできない。山にいて地震がやってくる直前にも山は唄う。それはもっとわかりやすく「あ、来る」とわかる。それとこれとは似ているのだけれど少し違う。

嵐の森唄は、耳で聴こえるものではない。嵐が唄い、森も唄う。そして命が震える。それは、はじめて龍に触れた時の感覚に似ている。


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雨に打たれ、空っぽになった。

そして今、パソコンに向かいながらも、時折森の唄を感じる度に手を停め、闇に包まれゆこうとする嵐の森を窓越しに見つめては、光りが差した空を駆け上がる無数の龍を想い描いている。



今日は立秋。嵐が秋を連れてくる。
明日は満月。闇に光りが灯る。


この狭く広い世界の中で。

蝉たちの羽音とやってくる秋、ほんの短い森の唄や山の唄。長く続く闇と月の光り。今も色褪せずにある想いや消えない痛み。そんな嵐と「間」を慈しみながら、人は生きていけるものなのかもしれない。


そんなことを、嵐の夜に、考えている。
とても静かな夜に。









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Author:Coo
森のある暮らしを綴ったフォトエッセイ。 裏高尾、筑波山を経て、現在 京都・比叡山にて。 夫の樹さん、黒猫のヤブさんと私Cooこと久弥子、ふたりと1匹、森暮らし。 森の事、野草や薬草のこと、森料理、日々のあれこれ、など。 森の風があなたのもとにも届きます様に。

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